DESIGN VOICE

感情が、かたちになる場所

The Noborita Project

NOBORITAでは、ものづくりの始まりにいつも感情があります。ある出来事や記憶、心に残った言葉や音。そうしたものが少しずつ形になり、バッグや服、そして音楽へとつながっていきます。私たちにとって、作品はただ身につけるためのものではなく、そこにはつくられるきっかけとなった時間や思いがあります。

Noborita Projectは、そうした言葉だけでは伝えきれないものを、デザインと音楽の両方で表現するためのプロジェクトです。

色と音の調和から、詩の一節が形につながり、メロディの深さが素材の表情に反映されます。創造とは、アイデアではなく感情を別の形に置き換えていくこと。その過程で、さまざまな境界は次第になくなっていきます。そこに残るのは、単なるデザインではなく物と記憶のあいだにある静かな存在。

あなたが持つものは、ただ機能的につくられたものではなく、そこには想いが込められています。

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THE NOBORITA PROJECT

それぞれの作品に、ひとつの物語と音楽があります。

Azario Pour Naghshband Across Realms

バッグ名:LAVENDER TEMPLE(ラベンダー・テンプル) — 時と空間を越える聖域

曲名:Across Realms(時空を越えて)

永遠というものを考えるとき、そこには静かな場所があるように思います。

Lavender Templeは、日本の寺院が持つ静けさや、時代を超えて残る建築の美しさから着想を得たバッグです。しっかりとした土台と、上へ向かって伸びるシルエット。その姿には、現実の中にありながら、どこかその先にあるのものを感じさせます。

けれど、寺院は形だけでは成り立ちません。そこには人間の心や思いが必要です。深く落ち着いた外側にラベンダーを合わせたのは、二つの存在をつなぐ光のようなものを表したかったからです。時間や距離があっても、消えずに残るもの。その感覚を、この色に重ねています。

「私たちの炎は、見えない黄金の中で息づいている…」

人の身体は永遠ではありません。手の温もりも、肌の感触も、いつかは失われていきます。それでも、形として残せるものはある。Lavender Templeには、簡単には消えてしまわない愛や記憶を、ひとつのかたちとして残したいという思いがあります。

このバッグは、誰かと深くつながっていた記憶のための、小さなモニュメントでもあります。フォルムと Across Realms の音が重なりながら、たとえ星が見えなくなる夜が来ても、本当に大切なものは残っていく。Lavender Templeは、そんな思いから生まれました。

「死でさえ、この美を奪えない/あなたは私の心の中に刻まれている」

Azario Pour Naghshband Born of Eiffel

バッグ名:EIFFEL EVOLUTION(エッフェル・エヴォリューション)

― 傷ついた心から生まれたモニュメント ―

曲名:Born of Eiffel(エッフェルから生まれて)

Eiffel Evolutionは、エッフェル塔の構造美と、その設計者ギュスターヴ・エッフェル、そしてアドリエンヌの物語から着想を得たバッグです。

デザインの中心にあるのは、下部に安定感を持たせ、上へ向かって伸びていくシルエットです。これはエッフェル塔の構造的な特徴をバッグのフォルムに置き換えたもので、建築的な印象を強く残しています。

正面に入る斜めのラインは、均整の取れた形にあえて変化を加えるための要素です。左右対称の構造の中に不規則な動きを入れることで、別れや距離といった、この作品の背景にあるテーマを表現しています。

「もっと高く、空の向こうへ。この痛みから生まれたものを、そこまで届けたい。」

深いグリーンは、金属的で無機質な建築のイメージに対して、生命感を加えるためのもの。中央の金属パーツは、デザイン全体を支える構造的な役割を持つと同時に、作品の中心を明確にする要素でもあります。

Eiffel Evolutionは、バッグとしての機能だけでなく、建築と感情をひとつの形にまとめることを意図して設計されています。

世界的な建築物として知られるエッフェル塔の強さや構造美と、そこに重ねられた個人的な記憶や感情。その二つを組み合わせることで、このバッグ独自のフォルムが生まれています。

この作品では、形として残るものと、時間とともに失われていくものの関係も重要なテーマになっています。

「私たちの愛を、空へ。永遠に愛している。さようなら。」

Azario Pour Naghshband Glayor

バッグ名:GLAYOR(グラヨール)―愛によって人生が変わった男の物語―

曲名:Glayor(グラヨール)

Glayorは、生き残るために戦い続けてきた若い王子の物語から着想を得ています。

王の息子として育った彼は、強さとは耐えること、勝つこと、そして弱さを見せないことだと考えていました。長年の戦いによって疲れ果て、孤独を深めた彼は、それまでとは違う生き方を求めるようになります。

やがて彼は戦場を離れ、心の安らぎを求めて森へ向かいます。そこで出会ったのがGlayorです。自然と深く結びつき、動物や花々に愛される彼女は、平和、愛、そして心の均衡を象徴する存在でした。それは、彼がそれまで生きてきた世界とはまったく異なるものでした。

Glayorとの出会いを通して、彼は強さだけでは得られなかったものを初めて知ります。生きることは、外の世界と戦い続けることだけではなく、自分の内側に平和を見つけることでもあると理解し始めます。

二人の関係によって、彼の「強さ」に対する考え方も変化していきます。力、規律、忍耐だけでなく、愛、思いやり、そして心の安定も、強さの一部であると考えるようになります。

その後Glayorが亡くなると、彼はようやく見つけた平和を失い、なぜそれが自分から奪われたのか苦しみます。一時は、彼女を通して得たものまで失ったように感じます。

しかし時間とともに、Glayorの存在は単に愛を与えるためだけではなく、別の生き方を教えるためだったと理解していきます。愛や平和は弱さではなく、ときに争うこと以上の強さを必要とするものだと気づきます。

Glayorバッグは、この変化をもとにデザインされています。

構築的な幾何学フォルムは、Glayorと出会う前の、規律と緊張感のある世界を表現しています。一方、やわらかなラインやフォルムの変化、異なる素材の組み合わせは、Glayorによってもたらされた心の変化を表しています。

このデザインでは、強さとやわらかさ、構造と感情、生き残ることと平和という異なる要素をひとつの形の中にまとめています。それらを対立するものとしてではなく、より完成された状態をつくるために共存できる要素として捉えています。

「ああ、愛の泉よ。心の奥まで満たして。」

Glayorが最終的に表しているのは、本当の強さとは、ただ戦って生き残る力だけではなく、愛すること、平和を見つけること、そして人生の見方を変える力でもある、という考えです。

Azario Pour Naghshband Juliet's Martini

バッグ名:JULIET’S MARTINI(ジュリエッツ・マティーニ)

― 永遠に結ばれる愛のエリクサー ―

ウィリアム・シェイクスピア『ロミオとジュリエット』から着想を得た現代的なデザインストーリー。

曲名:Last Martini

Juliet’s Martiniは、『ロミオとジュリエット』を背景に、愛、別れ、喪失、そして離れた後も続くつながりをテーマに構成されたバッグです。

全体は、シャープで建築的なシルエットを基本としています。深い色調と明確な輪郭によって、緊張感のある外観にまとめています。その硬質なフォルムに対して、鮮やかなピンクのステッチやベルベットのディテールを加えています。構造の強さと、感情的な要素が同じデザインの中に共存する構成です。中央には2本のベルベットラインが並行して走っています。ロミオとジュリエットという二人の存在を重ねたディテールで、別々のラインでありながら同じ方向へ続いています。

「今もあなたの愛を味わいながら、あなたの中に自分を委ねる。」

重厚な金具と閉じた構造によって、外側には強い緊張感を持たせています。一方、バッグの内側は、より静かで私的な空間として設計されています。

「Juliet’s Martini」という名前は、最後に交わす一杯というイメージと、曲名 Last Martini に由来しています。曲の中でMartiniは、二人が共有した時間や記憶につながるモチーフとして使われています。

このバッグでは、『ロミオとジュリエット』の物語そのものを再現するのではなく、愛、別れ、喪失、そして続いていくつながりを、フォルム、色、素材、ディテールの構成に置き換えています。

「あなたの魂と永遠に結ばれ、自由に。いつまでも、あなたと私がひとつであるように。」

Azario Pour Naghshband Waltz Within Eiffel

バッグ名:GOLDEN EIFFEL(ゴールデンエッフェル)

― 金色の夢から生まれたフォルム

曲名:Waltz Within Eiffel

Golden Eiffelは、誰かへの憧れや感銘が、創作のエネルギーへ変わっていく瞬間から着想を得たバッグです。

エッフェル塔の建築的な要素を取り入れていますが、物語の軸は Eiffel Evolution とは異なります。

Eiffel Evolution が別れや喪失を背景にしているのに対し、Golden Eiffelでは、ひとりの人物の存在や感性、動きが、創作者の視点やデザインの方向を変えていく過程を扱っています。

曲 Waltz Within Eiffel では、その変化を「ダンス」というイメージで描いています。

相手の視線や動き、ものの見方が、リズムや光、そして創作のきっかけへとつながっていきます。

「あなたの視線の中で、私は立ち上がり、光を帯びていく。

そこから金色の夢が流れ始める。」

バッグのフォルムには、エッフェル塔を思わせる建築的な構造を残しながら、曲のワルツに通じる流れや動きを加えています。

構造的な強さと、より柔らかな曲線が同じデザインの中に共存しています。

Golden Eiffelの中心にあるのは、エッフェル塔そのものではなく、建築的な構造が、感情やインスピレーションによって別の形へ変化していくことです。

「金色のラインが、流れ始める。」